クライアントもキャリコンも楽しい面談を目指す解決志向アプローチを勉強中です。

こんにちは!キャリコンNORYです。

キャリア面談でつかう技法や理論を増やしたい!ということで、解決志向アプローチを勉強しています。

キャリコンもクライアントも楽で明るい面談が出来ると知り、面談で使う中心技法する予定です。

目次

問題志向アプローチと解決志向アプローチの違い

キャリアコンサルティングでよく見るこの展開。

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○○で悩んでいるんです‥‥。

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いつからですか?
どうしてそう感じるんですか?

これは「問題志向アプローチ」です。

「どうしてこうなったか」という問いを立てて原因解明することで、原因に対してぴったりの対応策を見つけられる技法です。

ぴったりの対応が見つけられる反面、面談が長期的になる問題探しに着目しすぎて解決から遠ざかってしまうデメリットがあります。

「問題に焦点を当てず、解決に役立つものにだけ焦点を当てる」まったく真逆のアプローチが解決志向です。

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○○で悩んでいるんです‥‥。

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抱えてる問題がすっかり解決したらどうなっていそうですか?
そのためには何が出来るでしょうか?

メリットは

面談が短期で終わる、未来に視点を向ける質問で、クライアントが「自分には解決できる力がある!」と明るい展望を持った状態で面談が進められることです。

問題解決がダメという事ではなく、取り組んでいる問題についてどちらのタイプで対応しようとしているのか自覚して、対応の幅を広げることが大切です。

技法の紹介

スケーリングクエスチョン

解決志向アプローチの中で、私が個人的に好きな質問は「スケーリングクエスチョン」です。

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理想的な状態を10とした場合、今の状態はどれくらいですか?

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…3ですかね。

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何が出来ているから3なんですか?

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そうですね。○○が出来ているので3だと思っています。

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では、数字がひとつ上がって4になったとしたら、今と何が変わっていますか?

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□□が出来ていると4だと思えます!

このように、クライアントの答えた数字が大きくても小さくても『何が出来ているからその数字なんですか?』と質問することで、今できていること、取り組めていることに気付いてもらえるます

さらに数字が上がった時の状態をイメージしてもらうことで、解決に向けたファーストステップをクライアント自身が見つけて決めることが出来ます。

実際の面談で使ってみると、キャリアコンサルタントが「今聞いた問題のうち○○について□□の方向で取り組んでいただくといいと思いますが、いかがですか?」と方策の提案をするよりスムーズで、クライアントさん自身が決めた無理のないファーストステップなので取り組んでいただける確率が上がるなと感じました。

コンプリメント

面談以外の普段のコミュニケーションや、部下との会話で使えるようになりたい!と思うのがコンプリメントです。

コンプリメントには種類が3つあります。

普通に褒める直接的コンプリメントと、褒めたことを深堀する間接的コンプリメント、自分で自分のことを認めるセルフコンプリメント

直接的コンプリメント

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後輩には「気軽に質問していいよ」と伝えるようにしています。

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優しいんですね!

間接的コンプリメント

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後輩には「気軽に質問していいよ」と伝えるようにしています。

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優しいですね!どうしてそんなことが出来るんですか?

間接的コンプリメントは、クライアント自らが成し遂げたことに気付けるよう促す質問です。

直接的コンプリメントよりもクライアントの内面に肯定的に響くので、セルフコンプリメントに繋がりやすくなります。

セルフコンプリメント

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自分でもよくここまで乗り越えられたなと思います!

セルフコンプリメントはクライアントが自ら気付いて自分を褒めることです。

私のなりたい人物像が、「相手の力を引き出す人」「相手の自己効力感上げる人」なので、コンプリメントの技法は意識しなくても使えるよう練習したいと思っています。

その他の技法

解決志向アプローチで使う技法は他にもありますが、ここでは名前と質問内容だけ紹介します。

(他にも紹介しきれていない技法が沢山あります!ぜひ後述する書籍を読んで勉強してみてください!)

ミラクルクエスチョン

もし今夜君が眠っている間に奇跡が起きて、今の問題がすべて解決したとします。あなたは寝ていたのでそのことを知りません。明日の朝目が覚めたときに、どんな違いから奇跡が起こったと気付きますか?

サポーズクエスチョン

仮に、○○に悩まされずに済むとしたら、どんなことが変わりそうですか?

コーピングクエスチョン

そんな大変な状況の中、これまでどうやって仕事を続けてこられたんですか?

書籍の紹介

私が解決志向アプローチの勉強に使っている書籍と、まだ読んでいないけれど良さそうな書籍の紹介をします。

(ブリーフセラピーは解決志向アプローチの流派の一つです)

①最初の1冊目におすすめ!『〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー』

実際のワークショップを書き起こした内容で、解決志向について話し言葉で分かりやすく説明してくれています。

解決志向ってなんだろう?と興味を持った時に最初に読み始める1冊目としてお勧めします。

②理解を深める2冊目として!『ブリーフセラピーの極意』

『〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー』の著者の一人、森 俊夫先生の著書です。

こちらも話し言葉でかみ砕いた説明がありがたい。『月間教育相談』という雑誌の連載をまとめた内容なので、紹介されている事例は学校関係が多いです。(もちろん学校関係者以外の方でもしっかり学べる内容です)

『〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー』より端的に各技法とその考え方が紹介されていて読みやすいのですが、「詳しくは〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピーを読んでください!」と説明が省略されている箇所があるので2冊目の方が最適だと思います。

③実際の面談で使うための練習に!『(読んでわかる やって身につく) 解決志向リハーサルブック──面接と対人援助の技術・基礎から上級まで』

解決志向の面接研究とワークショップを開催している、解決のための面接研究会が発行した書籍です。

解決志向アプローチの各技法をどのように身に着けたらいいのか、著者らが実際の勉強会で行ってきた様々なワークが紹介されています。

1人で出来るワークからグループワークまで、レベル別に詳細な手順が載っているので、知識を実践に移すとっかかりとして最適な1冊です。

④実際の事例が知りたいときに!『みんな元気になる対人援助のための面接法―解決志向アプローチへの招待』

③で紹介した解決のための面接研究会が、『(読んでわかる やって身につく) 解決志向リハーサルブック──面接と対人援助の技術・基礎から上級まで』より10年近く前に発行した書籍です。どこを探しても絶版だったので、古本で購入しました。

解決志向アプローチの各技法ごとに事例が紹介されているので、実際の面談ではこうやって使うのか!とかなり参考になります。

いいなと思うのは、失敗事例も載せてくれていること。(あのときこういうアプローチをしたらよかったなあ。という書き方で)

理論や技法の書籍って、成功例しか載せてくれてないので「本当にこんなに上手くいく?」と訝しんでしまう事が多いのですが、この書籍を読むと、どんな技法も使う人の腕次第。慎重に使わなければ!と背筋が伸びる思いです。

⑤企業領域のキャリコンにおすすめ!産業臨床におけるブリーフセラピー

初めての異動で不安になっている従業員の事例、営業に向いていないので仕事を辞めたいと訴える従業員の事例など、キャリアコンサルタントが良く目にする「キャリア」に関する面談でどのように解決志向アプローチを使うのか紹介されています。

残念ながらこちらも絶版なので、図書館か古本でご確認ください。

まえがきの「解決志向は問題に一切触れなくていい、傾聴しなくていいと思ってる人多いけど違うよ!(意訳)」の記述につい笑ってしまいました。

私がこの本を読んだのは、『ブリーフセラピーの極意』→『〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー』の後の3冊目。

前述の2冊は問題に触れないを強調しすぎていて(解決志向の説明がしたくて端折っている)、本当に問題について全く触れなくてもいいの?クライアントが訴えてきた時はどうすれば?と疑問に感じていたので、「言ってくれてありがとう!やっぱりそうですよね!」とやっと解決志向アプローチについて納得できた瞬間でした。

⑥ある程度知識を付けてから読み込みたい『ソリューション・バンク―ブリーフセラピーの哲学と新展開』

おすすめしておきながら申し訳ない。残念ながら私はまだこの本を理解できていません!あえて難しく書いていらっしゃるのでは?と思えるほど。

これまで紹介した書籍では記載のないMRI(悪循環を阻止する)技法も紹介されているので、さらに学びを深めたい!という方は挑戦してみてください。そして感想を教えて欲しいです。

⑦解決志向のバイブル『解決のための面接技法[第4版]―ソリューション・フォーカストアプローチの手引き』

解決志向アプローチの創始者が書いた書籍とのこと。いいお値段するので実はまだ購入できていません。近々購入して読みたいと思っています!

まとめ

最後に、『ブリーフセラピーの極意』の一説を紹介します。

クライエントさんの肩の荷の重さと、カウンセラーの肩の荷の重さは比例する

『ブリーフセラピーの極意』森 俊夫 著

キャリアコンサルタントが「しんどいな、この面談辛い…」と思っている時はクライアントも同じぐらい辛い。身に覚えがありすぎて本当に申し訳ない…。

これまで身に着けてきた問題解決アプローチに追加して、解決志向アプローチを使いこなせるようになれば、キャリアコンサルタントもクライアントもどちらも明るく楽しい面談が作れる!ととてもワクワクしています。

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この記事を書いた人

子育てをしながら、人材紹介会社勤務×キャリアコンサルタントのパラレルキャリアを躍進中。
キャリア相談やPoints of you コーチングで、思考の整理&一歩を踏み出すお手伝いをします。
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